以前の記事 NBA:ピート・マイヤーズ ― マイケル・ジョーダンの後継者?
を作成しているときに参考にしたサイト
Myers: Pippen was the Jack of all trades | Chicago Bulls
で、文法的な構造が分からなかった文章がありました。
…
The end result was a monstrous dunk over the seven-foot Ewing that sent him to the floor as Pippen hovered above him.
As great of a play as that was for Pippen and the Bulls, Myers doesn’t feel it was Pippen’s defining moment. He points back to when Pippen’s 29 points, 11 rebounds, and four steals led the East to a 127-118 victory at the 1994 NBA All-Star Game in Minneapolis.
…
赤文字の部分がそれでした。
この部分を日本語にすると
このようになります。
・・・
最後は、213cmの(パトリック・)ユーイングの上から激しく豪快なダンクをぶち込み、ユーイングは床に倒されピッペンがその上に乗っかった状態になった。
これはピッペンとブルズにとってかなり大きなプレーではあったが、(ピート・)マイヤーズにとっては、このプレーがピッペン(のオールラウンドなゲーム支配能力)を決定づける瞬間だとは感じていなかった。そうであるとしたのは遡って、ミネアポリスで行われた1994NBAオールスターゲームで、29P、11R、4Sの活躍でイーストを127-118の勝利に導いた(注:MVPも獲得)場面であった。
・・・
そして、赤文字部分の
ですが、
見慣れない表現だったので、大分悩みました。
並べられてる言葉(「グレート」「プレー」「ピッペンとブルズにとって」)
から、ただ読み流すだけなら何てことないんですが、
文法的構造は一体どうなってるんだ?
と気になってしまい、いろいろ考え込んでしまいました。
カギは
→ “great of” を形容詞句(あたかも形容詞)
とした上で考える
でした。
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解決の過程
…
The end result was a monstrous dunk over the seven-foot Ewing that sent him to the floor as Pippen hovered above him.
As great of a play as that was for Pippen and the Bulls①, Myers doesn’t feel it was Pippen’s defining moment②. He points back to when Pippen’s 29 points, 11 rebounds, and four steals led the East to a 127-118 victory at the 1994 NBA All-Star Game in Minneapolis.
…
まず、
①と逆接になりそうだな。
つまり、
という風につなげられるな、
という文章のつながりを見つけました。
①と②が逆接関係にあるとすると、
①の
そして、
それは、“S + V” は “that was” で間違いないだろう
いろいろ言葉(”As great of a play as”)
があるわけだけど、
そうなると倒置表現かな
というところまでいきました。
ここで、ある重要な事項を思い出しました。
1. 逆接・譲歩としての接続詞 “as”
これ、マイナーだけど忘れてました。
すると、原文の①は
(「・・・」= “for Pippen and the Bulls” の部分については、頭に持って行くにはあまりにも長すぎてしまうので倒置させていないのでしょう。)
と区切ることができて、
上の囲みで示した倒置の表現にあてはまります。
“as” を入れなかった場合の節①は
(それはピッペンとブルズにとって “as great of a play” であった)
倒置がなされて
(それはピッペンとブルズにとって “as great of a play” であったが)
と元の①に戻ります。
2. so [as, too, etc] + 形容詞 + 不定冠詞(a [an])+ 名詞
“As great of a play”
については、
“as great” っていう順番になっている以上
“of” が邪魔になっているとはいえ
という規則が使われているのかなと考えました。
この規則は
簡単な例を挙げると、
に「とても」としての “so” を入れると
“so beautiful a place” → 「とても美しい場所」
“so” は “as” にも置き換えることができるので
となることです。
問題の
→ 「とても(形容詞)な(名詞)」
という規則が通じると仮定します。
つまり、
“great of” を形容詞句(あたかも1つの形容詞)として仮定します。
「とても」という意味の “As” を取り除くと
と語順が変わります。
ここで、
“great of” を形容詞句(あたかも1つの形容詞)として見ているので
不定冠詞(a [an])+ 形容詞 + 名詞になるため、
と仮訳することができ、
これに、
「とても」という意味の “As” を加えて
語順を原文の通りに戻すと、
「とても “great of” なプレー」
と訳せるのではないか?
と思いました。
これは訳文としても不自然ではなさそうですし
さっきの仮定(”great of” をあたかも1つの形容詞とする)
はどうやら通じそうです。
あとは “great of ” の意味が分かれば
悩み事が解決します。
3. A great of ~ という表現
先程、この “A great of play”
と並べ替えた語順を見て、
ある表現を思い出しました。
それは、
という有名な慣用表現であり、
”A great of ~”
ってそれの類似表現なのかな?
と考えました。
早速、Google 検索をかけてみました。
「”a great of”」で検索すると、
1番目にアルクの辞書が出てきて、
「かなりの~」という意味で例文が訳されていました。
それぞれ
「大部分、许多」、「大量的、许多的」
という意味が出ていました。
なんか「多い」とか「大きい」みたいな意味ですね。
それに、それらのページに出てくる英語の類似表現には
慣用表現 “a great deal of” のような
「(量が)多い、(程度が)大きい」という意味の語がたくさんありました。
ちなみに
「”a great of” english-english dictionary」
と検索しても、英語-中国語辞典のサイトしか
見つかりませんでした。
日本語用の辞書だと “a great of ~”
は載っていないみたいですね。
あまり裏付けは取れませんでしたが、
どうやら
「多くの~」「大きな~」
という、“A great deal of ~”
の類似表現としても差し支えない
そして、
“great deal of ~”
は名詞にかかるので
ある意味形容詞句(あたかも1つの形容詞)と考えることができ、
つられて “deal” を取り除いた
“great of ~”も形容詞句と考えることができるかもしれない。
と思いました。
というわけで、
に
「とても」としての “as” を入れると
語順が変わって
となりました。
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4. ようやくすっきり
それらを踏まえると
は
と訳すことができ、
前後の文章との関係や、語感などを考慮して
と少しアレンジして
訳の完成に至りました。
その「かなり大きなプレー」の動画です。
ピート・マイヤーズ(Pete Myers)がアシストしていますね。
(5:13 – 5:49 / 5:59)
パトリック・ユーイング(Patrick Ewing)が倒されて
よもや足蹴にされかけるような体勢はかなり印象的でしたね。
最後に
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ニュースサイトやコラムでも
学校や資格で勉強した文法を駆使しないと読めない英文が
たまにというかよくあるので
私自身、そこでつまづいて
気になって止まってしまいます。
今回のやつも “a great of ~”
のところで止まってしまいました。
“a great deal of ~” だと思って
適当に読み飛ばせばいいんですけどね。
ただ、難解な文章の構造が分かったときには
ものすごいすっきりした気分にはなりますね。
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