NBA:レブロン・ジェームズ対トランプ大統領のまとめ

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全米のニュースでも大きく取り上げられた

ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)
ツイッターでレブロン・ジェームズ(LeBron James)をディスった騒動。

前後でどのような経緯があったかまとめてみました。

まずはトランプ大統領のツイート

8月3日深夜に投稿されました。

レブロン・ジェームズがちょうどテレビに出てた。

最もバカな(dumbest)男ドン・レモン(Don Lemon)にインタビューされてたけど、レブロンが賢く見えるな。簡単なことじゃないぞこれは。

アイライクマイク!

 

こんな感じでしょうか。ちょっと意訳入ってます。

 

普段からフェイク・ニュース呼ばわりしてる
CNNのドン・レモン氏を最上級にバカ呼ばわりすることで、
レブロン・ジェームズを間接的に馬鹿者扱いしているということでしょうか。

そして、レブロンの対比としてマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)を上げていることになるのでしょうか。

トランプはレブロンたちの何に対して罵ったのか?

CNNとのインタビューで、レブロンが

 

「トランプ大統領は我々を分断している」

および

「トランプ大統領とは1対1で話をしたくない」

 

という旨の発言をしたことに対してのようです。

 

このインタビューは、7月30日の夜
つまりはトランプツイートの4日前に行われました。

 

この日は、地元オハイオ州アクロン(Akron)に新設された学校
“I Promise” スクールの開校式が行われ、
インタビューはその施設内で行われました。

 

“I Promise” スクールは、
ジェームズの非営利財団とアクロン学区が組んで、危険に晒されている(at-risk)子供たちを助ける目的で開校されました。 

6 Things LeBron James Said About Donald Trump and Sports in New CNN Sit-Down
The new L.A. Laker said about Trump, “I would never sit across from him. I’d sit across from Barack though.”

上記の記事では、
インタビューで答えた内容は
主に6点あったということです。

 

インタビュー全編動画
(length – 16:23)

 

1/6 “I Promise” スクールの目的

上記全編動画 3:33 – 4:22

同じ子供達や、同じ言葉を話せる仲間達と一緒にいれば、常につきまとう薬とか暴力とか銃とかの悪い事を遠ざけることができる。それが第一の理由。学校の時間も午前8時から午後3時ではなく5時までにした。生徒には、単にこの学校にいてほしいんじゃなくて、君たちにふりかかる出来事について本当に気にかけているんだということを分かってもらいたい。

 

2/6 トランプ大統領がアメリカを分断してることについて

(1)上記全編動画 4:49 – 5:45

スポーツの世界がもたらしてくれる友情や楽しみはものすごい。それより、今我々のいるアメリカでは、人種問題が未だに続いている。それは、大統領が我々を分断しようとしてるところがある、いや分断していると私は考えているからだ。で、この2、3ヶ月間で気付いたのは、彼はスポーツを利用して我々を分断しようとしているところがある。そんなのは受け入れられない。私が白人と接したのはスポーツが初めてだった。彼らに出会って互いを知るうちにとても仲良くなった。まさに『全部スポーツのおかげだぜ』って感じだった。だから、スポーツは人々を分断するものでは決してないし、人々を1つにするものであることはずっと変わらない。

抜粋動画(length – 16:23)

(2)上記全編動画 11:10 – 12:00

彼は人気のあるものは何でも利用して、ポジティブなことについて思考停止させたり、我々の頭を鈍らせようとしていると、私は思っている。NFL選手が国歌斉唱時に膝をついた行為だって、何も考えずにやったわけではないのに。カリーや他の例だってそうだ。ただ、結局最後はスポーツは我々を1つにするものだ。

 

3/6 大統領と1対1で話すことについて

上記全編動画 15:30 – 15:41

それはない。オバマ前大統領とはありえるが。

 

4/6 トランプの対抗馬として誰も出馬しなかった場合

上記全編動画 1:12 – 1:2514:12 – 14:25

本当にそうなれば、可能性はあるかも。

 

5/6 トレイボン・マーティン君(Trayvon Martin、2012年ヒスパニック警官に殺された黒人少年)について

上記全編動画 7:05 – 7:39

親としてこの件を聞いたとき、自分の子供が家を出て帰ってこなくなるかもと考えると、この件は心に突き刺さった。そこから考えが変わって、自らの声で演説することは、スポーツ以外にも用いるべきだと思った。

 

6/6 アメリカの黒人であることの試練について

上記全編動画 0:52 – 1:088:44 – 9:34

常に思ってほしいのは、アフリカ系アメリカ人である限りは、常に障害に立ち向かわなければいけない。それは悪い影響を与えるかもしれないし、力に換えさせて克服するものかもしれない。今の偉大なリーダー達やモハメド・アリやキング牧師、彼らは全ての逆境を克服してはいないが、モチベーションやパワーにしようとしてきた。だから今我々がここにいれる。

 

上に記したように、特に

2 トランプ大統領がアメリカを分断してることについて

および

3 大統領と1対1で話すことについて(レブロンは拒否)

の2点に対して噛み付いたとされているようです。

 

参照記事(3 大統領と1対1で話すことについて)

LeBron James Sidesteps Trump Diss, Celebrates New School Instead
Newest Laker doesn't trade barbs in first public comments since Trump called him dumb

Trump was apparently miffed by James telling Lemon he “would never sit across from” the president.
ジェームズがレモン氏に言った「大統領と1対1の席に付かない。」との発言にむかっとしたように見える。

今に始まったことではないレブロンのトランプ批判

10 times LeBron James stood up to Donald Trump
LeBron James has been speaking his mind on Donald Trump for years.

こちらの記事によると、

 

トランプ氏は2013年頃は、レブロン・ジェームズのファンを公言していました。

 

一方レブロンの方は、

遅くとも2016年大統領選のときからトランプ批判をしていました。

 

上記の同記事からは

 

2016年
大統領選ではヒラリー・クリントン候補を支持。

 

2017年2月
トランプ大統領がイスラム教国家7ヶ国からの移民・難民を入国禁止にする政策に明確に反対

 

2017年8月
バージニア州シャーロッツビルの死傷事件でトランプ大統領の声明に対し、「トランプはヘイトを『ファッション化』した。」
とツイート。

 
2017年9月23日
(ホワイトハウス招待を拒否した)ステフィン・カリー(Stephen Curry)を擁護。トランプを愚か者(bum)と呼ぶ。
愚か者(bum)はあんただ。カリーはもう(優勝記念招待に)行かないと言っている。だから招待なんてない。あんたの前まではホワイトハウス招待は大変名誉なことだったのに。」
とツイート(この年にスポーツ選手の中で最多のRT数)

 

2017年9月25日
「(先日の愚か者(bum)発言に)後悔はない。大統領は自分の権力を分かっていない。子供たちに尊敬を受けるべきものだ。この国を動かしているのは国民、個人でも彼でもない。」
とキャブスの会見で発言。

 

2018年2月
カリ・チャンピオン(Cari Champion、TVジャーナリスト)、ケビン・デュラント(Kevin Durant)との対談で
トランプは国民を何とも思っていない。

2018年6月
国歌斉唱問題でNFLイーグルスの表敬訪問をキャンセルしたトランプに対して
「いつものこと。特に何もない。というより、(NBAファイナルでキャブスとウォリアーズの)どっちが勝っても(ホワイトハウス)招待はごめんだ。

 

と繰り返しトランプ批判を繰り返しています。

 

さすがに、ここまで批判されていたら

政策や思想の是非は別にしても、
自分を批判する人間に対して肯定的な感情を持てないのは
致し方ないかもしれません。

他の選手達もレブロンを支持

NBA stars, athletes react to Donald Trump's attack on LeBron James
“A sign of an insecure human being is one who attacks others to make themselves feel better…” Donovan Mitchell said.
こちらの記事の中では、
トランプ大統領の侮辱的内容のツイート後、
カリーを始め多くのNBA選手達が
レブロンを支持しています。
Tweet / Twitter

 

 

トランプ大統領にレブロンとの比較対象にされたMJことマイケル・ジョーダン
スポークスパーソンを通じて、
「私はL.J.(レブロン・ジェームズ)を支持する。彼の故郷へ行っている仕事は素晴らしい。」
と述べています。

 

 

さらに、NBAの大レジェンド
ビル・ラッセル(Bill Russell)は、
「トランプ大統領に批判されることは最大の賛辞。」とツイートしています。

 

参照記事

When Donald Trump attacked LeBron James, it had an unintended effect: Other athletes speaking out
Bill Russell, Randy Moss, Bubba Watson, Michael Jordan and plenty of others have LeBron James' back after President Trump criticized the basketball star.

 

 

騒動の発端となったCNNインタビューでインタビュアーを務めた
ドン・レモン氏
「子供たちを学校に入れる人間、檻に入れる人間、どっちが愚か者(dummy)?」とツイートしています。

このツイートには、#BeBest というハッシュタグがあります。
おそらくは、メラニア大統領夫人(First Lady Melania Trump)が推進しているキャンペーン「”Be Best” イニシアチブ」のことでしょう。

メラニア夫人も巻き込もうとする意図があるのかもしれません。

そして、トランプ大統領の反応は

騒動の発端である
トランプ大統領は例のツイート以降、
レブロン・ジェームズに関するツイートを行っていません(8月10日現在)。

 

メラニア夫人については、
大統領のツイートの翌日に、
スポークスパーソンが声明を出しました。
First Lady Melania Trump breaks with president, joins Michael Jordan and sports figures in backing LeBron James
First Lady Melania Trump among those supporting Lebron James in his heated war of words with the president.

レブロン・ジェームズがやろうとしている事は、我々の次の世代の代表として良い事をしているように思われる。夫人は常日頃から、今の子供たちが直面している問題について皆がオープンに対話できるように働きかけている。ご存じの通り、夫人は自身の立ち上げた “Be Best” イニシアチブを通じて内外を駆け回っており、生活の向上やネット上での責任ある行動についての話を子供たちにしている。夫人の主な演説の場はさまざまな施設の訪問であり、(レブロンの)”I Promise” スクールへの訪問も前向きに考えている

一応はレブロンの事は非難していません、
どちらかというと賞賛という立場のようですが、

 

“Be Best” イニシアチブという
大統領夫人が推進しているキャンペーンの1つに、

ソーシャルメディアでの節度ある行動
を呼びかけているものがあるので、

これは、トランプ大統領の普段からのツイッターでの行動と相反しますね。

 

Melania Trump 'Wasn't Taking Sides' In LeBron James and Donald Trump Twitter Feud
Is anyone surprised?

この記事によると
その後6日、ホワイトハウス高官(匿名)が ABC News の取材に対する返答として

これはレブロン・ジェームズの支持ではなく、子供たちを支持するものであった。
どちらの肩を持つということではなく、子供たちを支持する “Be Best” の目的を持つ夫人の職務であった。

とのことです。

当のレブロン・ジェームズは

トランプ大統領の「口撃」に対して
一切スルーしている模様です。

 

代わりに、自身が新設に関わった学校
“I Promise” スクールのリツイートをしました。

 

参照記事

LeBron James Sidesteps Trump Diss, Celebrates New School Instead
Newest Laker doesn't trade barbs in first public comments since Trump called him dumb

レブロンの新設した “I Promise” スクールとは

数え切れないほどの社会貢献活動を行ってきている
レブロン・ジェームズですが、

7月31日に新たな学校 “I Promise” スクールの開校式に登場しました。

 

この学校は、
レブロン・ジェームズが100%出資したというわけではなくて

 

レブロン・ジェームズ・ファミリー財団(LeBron James Family Foundation)がアクロン学区(Akron school district)と組んでできた学校であり、

 

完全なアクロンの公立学校ということです。

 

ただ、有名人が学校の新設に関わる場合は

チャーター・スクール(特殊なタイプの公立学校)や
特殊な私立学校

のケースがほとんどのようで、

今回のように完全な公立学校の新設は珍しいようです。

 

学年は1~8年生(小学校・中学校)で

初年度は3・4年生のみ(240名)受け入れ、
2022年までに全8学年を受け入れる予定とのことです。

 

https://sports.yahoo.com/report-taxpayers-cover-most-operating-204701496.html

この記事によれば

レブロン・ジェームズ・ファミリー財団とアクロン学区が払う経費の内訳はまだ不明。経費の半分以上のおそらく75%くらいはアクロン学区側が負担することになりそうだ。
一方、レブロン財団側の負担は、初年度経費の総額が200万ドル程度、8学年すべての生徒が揃えば年間200万ドル以上はかかる見込み。
ただ、スクールの運営(建物の所有、教師・経営陣の雇用、バスの送迎、無料の食事提供など)はジェームズ側ではなくアクロン学区側が執り行う予定。
スクールの最終的な年度当たり経費は800万ドル程度になりそうだ。これはアクロン学区の通常予算では足りず、主にお金と人材を他校から転入させることでカバーする。

という財政事情はあるようです。

運営経費の半分以上はアクロン市、つまり税収から捻出される見込みのようです。

 

 

もちろん、レブロン・ジェームズの意向と言ってもいい
このスクールの「特典」として

  • 学費無料
  • 食事無料
  • 制服無料
  • 自転車とヘルメット支給
  • 2マイル以内の交通費無料
  • 必要であれば高校未卒業の親にフードパントリーとGED(日本の大検に相当)クラスの提供、職業紹介のサービス
  • 卒業生にはアクロン大学( the University of Akron)の学費を保証

など
豪華な支援が整っているようです。

 

レブロン・ジェームス自身、

家がない時期があったくらい貧しい家庭の女手一つで育てられ、
4年時には、母親の体が動かなくて送り迎えできず、80日ほど欠席していた時期もあり、
自分のようにバスケットの才能があればいいが、そうではない人達を支援するために時間と金をつぎ込んでいる。
そして、教育の大切さと教育を受ければ自立できることを分かってくれるように安全・健全な環境を作ろうとしている。

 

参照記事

Let’s be clear: It is LeBron James who makes America great
With his charity, his drive, his mission, his acumen and his values, the brilliant NBA basketball star is an example of the best we can be.

ということで、

 

何らかの事情で落ちこぼれる可能性がある(at-risk)アクロンの子供たちを支援したい、
というジェームズの気持ちが伝わってきます。

 

 

そして、上記の開校式の日に
CNNとのインタビューが組まれ放送されて

トランプ大統領の例のツイッター攻撃が起こりました。

スマホえんきん

最後に

今回のまとめをさらにまとめると

  • トランプ大統領は5年前はレブロンのファンであった。
  • レブロンは以前からトランプ大統領に批判的であった。
  • レブロンが出資する “I Promise” スクールの開校式にCNNのインタビューを受けた
  • これに対し、トランプ大統領がレブロンをツイッターで批判
  • MJなどNBA関係者はレブロンを次々と支持
  • レブロンはトランプのツイートをスルー
  • トランプ大統領は以後レブロンについてツイートせず
  • メラニア大統領夫人はレブロンの活動については共感している模様

とにかく改めて

レブロン・ジェームズの影響力はすごい

ということですね。

 

だからこそトランプ大統領も噛み付きにきたわけですし。

他のNBA選手達やレジェント達が即刻レブロンを支持しにきたわけですから。

 

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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