9月7日、バスケットボール殿堂入りセレモニーが行われました。
主な殿堂入りは
レイ・アレン(Ray Allen、名シューター、優勝2回)
ジェイソン・キッド(Jason Kidd、ミスタートリプルダブルの名PG、優勝1回)
スティーブ・ナッシュ(Steve Nash、MVP2回受賞のカナダ人PG)
に加えて、
も入っていました。
ただ、アレン、キッド、ナッシュに比べると
ヒルは少々扱いが小さい感じがします。
他の3名と違って、優勝もMVPも獲っていないですが
絶対に殿堂入りする選手でした。
203cmのオールラウンダータイプなフォワードで、
キャリア後半はケガに苦しんだ印象はありましたが、
とにかく人気が絶大な選手でした。
当時の雑誌でも「王子」「貴公子」「エリート」なんて形容されていました。
そのように呼ばれていた理由も兼ねて
ヒルのキャリア前半のハイライトを中心に紹介したいと思います。
家柄がいい
March 1974 issue of SPORT Magazine: A one-year-old Grant Hill with his parents Janet & Calvin pic.twitter.com/YHv6ysFpJO
— Darren Rovell (@darrenrovell) March 5, 2017
父親のカルビン・ヒル(Calvin Hill)が元NFL選手で
母親がヒラリー・クリントンと大学の同期
なのはルーキー時代から日本でも有名な話でした。
名門デューク大で2度もNCAA優勝
Your 1992 NCAA Champion Duke Blue Devils: pic.twitter.com/f37sCmncLS
— SI Vault (@si_vault) March 22, 2013
コーチKの左にいる33番がヒル
他にもコーチKの3つ右隣の白人がボビー・ハーリー(Bobby Hurley)
さらにその右隣にクリスチャン・レイトナー(Christian Laettner)
がいます。
1991、1992年に優勝。1994年も準優勝。
1994年ドラフト3位指名
1994年のドラフト1位は
左のグレン・ロビンソン(Glenn Robinson、バックス)
2位は真ん中のジェイソン・キッド(マーベリックス)
そして右が3位指名のグラント・ヒル(ピストンズ)です。
ヒルより指名順位が上の2人もすごい選手ですね。
ちなみに、これは私のトレカコレクションです。
1994年頃はトレカ買いまくってました。
このように、NCAAで優勝して
なおかつドラフトで上位指名されるだけでも
偉大な選手の十分条件ではありますよね。
さらに、ヒルのスター選手への階段を
決定づけたのが次に紹介するプレーだったと思います。
NBA入りしてすぐに見せたスーパープレー
1994-95シーズンの開幕数試合目で見せた
この左手アリウープ。
(length – 0:14)
実況のエキサイトぶりから
このプレーのインパクトが分かるかと思います。
この映像は
当時のNHK BS1でも流されまくってましたし、
向こうの放送でもかなり使われていたと思います。
とにかく
グラント・ヒルのハイライト映像では必ず使われますよね。
ルーキーでオールスターファン投票獲得数が最多
1995年オールスターのファン投票で
シャック(Shaquille O’Neal)を抑えて
最多獲得票数(1,289,585)を得ました。
1995 NBA All-Star Game Voting | Basketball-Reference.com
さらに翌年、
マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)が復帰した
1996年オールスターでも
MJを抑えてファン投票数が全体1位(1,358,004)でした。
1996 NBA All-Star Game Voting | Basketball-Reference.com
グラント・ヒルの人気の高さを証明するものですね。
ちなみに、
同期のジェイソン・キッドは1996年にオールスター初出場、
グレン・ロビンソンは2000年に初出場です。
キッドの1996年初出場もファン投票でですから
これもすごいですね。
新人王をキッドとダブル受賞
The 1995 Co-Rookies of the Year… Jason Kidd and Grant Hill! #PlayersOnly Conversation: 8pm/et on @NBATV
2018 @HoopHall Ceremony: 7pm/et Friday on @NBATV pic.twitter.com/tSPiOewX06— NBA (@NBA) September 4, 2018
この年の新人は他にも
グレン・ロビンソンに加え
ブライアン・グラント(Brian Grant、8位指名、キングス)
エディー・ジョーンズ(Eddie Jones、10位指名、レイカーズ)
ジャレン・ローズ(Jalen Rose、13位指名、ナゲッツ、2000年6thマン賞)
となかなかの当たり年でした。
1996年アトランタ五輪金メダル獲得
ちなみに、五輪が終わった96年の秋に来日して
ニュースステーション(今の報道ステーション)に出ていました(リアルタイムで見ました)。
とまあ、これらだけでも殿堂入り間違いなしの実績ですね。
スタッツ的にもトリプルダブル出しまくってましたし、
独特のドライブインは芸術的に相手を翻弄してました。
ハイライトプレー集 (length – 9:40)
今のレブロンの方が力強さはありますが、
それでも当時としては独特な動きも相まって
かなりインパクトのあるプレーが多かったです。
キャリア後半
1999-2000シーズン終盤に左足首を負傷。
プレイオフ1回戦には強行出場しましたが
成績が振るわず第3戦は欠場して、そのままヒートにスウィープで敗退しました。
それ以降は
オーランド・マジック(Orland Magic)に移籍するも
足首のケガに悩まされ
何度も手術をし、時にはMRSA感染で生死を彷徨うときすらありました。
その後ケガを克服し
貴重なベテランとして
サンズ(Phoenix Suns)などでも活躍し
2013年に40歳で引退しました。
優勝こそできませんでしたが、
結果的には息の長い選手として選手生活を終えました。
最後に
このように、
キャリア前半の輝かしい実績と、
ケガに悩まされ、克服して
息の長い選手として活躍したキャリア後半。
これらによって、有資格初年度で
文句なしの殿堂入りを果たしたのは間違いありません。
アレン、キッド、ナッシュとも何ら遜色のない実績であったことは
お分かりいただけただろうと思います。
改めておめでとうございます、グラント・ヒル。
殿堂入りスピーチ (lengh – 14:28)
余談
あの超有名なヒルのアリウープ
レブロン(LeBron James)もほぼ完コピしたことがあるんですね。
やっぱレブロンはとんでもないな・・・。
Side by side comparison of LeBron's lefty alley-oop dunk and Grant Hill's "buckle up" lefty oop from his rookie season. pic.twitter.com/emeIOh8dqJ
— David Astramskas (@redapples) December 17, 2017